鯖江市 萬慶寺（ばんけいじ）

萬慶寺
2020.09.16

萬慶寺（ばんけいじ）は 鯖江市深江町にある曹洞宗の寺院で、山号は亨浄山。
江戸時代に鯖江藩主 間部詮勝（まなべあきかつ）が幕府の老中を務めたことのある間部氏の菩提寺でもあります。

JR鯖江駅から近い「歴史の道」と言われる古い通り沿いにある。





緩やかな石段の上に立派な山門が見える。
この山門は「鵬霄閣（ほうしょうかく）」と呼ばれる江戸時代後期、1849年に建造されたもので、2階建ての楼門形式は、鯖江では数少ないものらしい。







山門をぐぐると本堂前と本堂横に2つの枯山水庭園が見られます。
趣のある石組と砂の石庭です。







この辺りで手入れの行き届いた石庭があるのも珍しい。
山門越しに見える空や眼下に見える町並みの景色もいい感じですね。







本堂には、7代目藩主 間部詮勝の描いたとされる天井絵があるそうです。
しかし張り紙に「コロナの影響で拝観は当分の間中止します」と…。







ちなみに、本堂の天井絵は、龍神、風神、雷神が描かれており、鯖江市指定文化財となっています。
1846年に描かれたものだとか。

鯖江藩って、元々城がなかったこともあって、あまり馴染みがない藩ですよね。

鯖江藩は、徳川吉宗の代の享保5年（1720年）に、越後村上藩主 間部詮言が石高(表高)５万石で移封され新たに出来た藩なのです。
元々間部氏は、第6代将軍 徳川家宣の側用人として信任を得、高崎藩５万石の藩主までになりましたが、第8代将軍 徳川吉宗のとき、村上藩へ、更に鯖江藩に移封されています。
以降明治維新まで間部氏が治めますが、当時の鯖江は城がなかったため、旧代官所を陣屋として改修し藩庁とするほどで、移封は懲罰的な意味合いもあったようです。

しかし幕末には、７代藩主間部詮勝が、大坂城代や京都所司代、老中にもなっています。
大老井伊直弼と共に開国のため奔走しましたが、尊王攘夷派や一橋派を徹底して弾圧したため、桜田門での直弼の死後、一橋派の一橋慶喜と松平慶永が復帰すると、文久2年（1862年）に隠居謹慎を命じられた上、1万石を減封されてしまいます。

鯖江市の旧国道8号線を挟んである「西山公園」と「嚮陽庭園（きょうようていえん」、第７代藩主、間部詮勝 ( まなべあきかつ ) が創設した日本庭園が残っています。

《 嚮陽庭園(きょうよう) 》

《 「西山公園」のツツジ祭り 》

萬慶寺は、この鯖江移封の際、随行した陽光和尚により小庵「万松庵」が興されました。その後三代目藩主 間部詮方によって現在の寺名に改められ間部家の菩提寺になったということです。





曹洞宗大本山永平寺の直末寺で、本尊は釈迦如来。

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萬慶寺
鯖江市深江町6-14
0778-51-0481
開館時間 終日
休館日 年中無休